夕陽の卵

　
奢れる者は久しからず…
そんな言葉を黄昏の飛行機雲にのせて…
　
日本を代表する航空会社のJALが、ついに経営破綻した。
負債総額はグループ企業を合わせて２兆３千億円余り。
これは事業会社としては史上最大規模。
誰もが知っている、あの日航が…事実上倒産したのである。




JALの設立は1951年、日本では海外旅行がまだ夢のような時代に、日本初の民間航空会社（半民半官）
として誕生。その後の日本経済の成長と共に鶴丸の翼を広げて行った。
７０年代、７４７（ジャンボジェット機）の登場。その機体とパイロットは多くの子供たちの憧れだった。
（そんな当時のパイロットも、今や年金問題で話題に上がったOBのメンバーとして見る影もないが…w）
そして忘れられない日航ジャンボ機墜落事故。

日本経済の豊かさの象徴でもあった日本航空。しかしその企業体質ゆえに経営圧迫の道を辿る事になる。
完全民営化後も半民半官体質から脱却できず、天下り、不採算路線の受け入れ、８つもある労働組合など
営利企業として、それらが「足かせ」になった事は言うまでもない。
それでも、政府のパートナー企業として誰もが不沈の神話を疑わなかった。
行政と持ちつ持たれつ。しかし破綻に至る経緯で、政治家主導の経営理念が、どれだけ現実とかけ離れて
いたのか、コスト削減を無視して資金力に物を言わせる体質だったのかがよく分かる。
不況を言い訳にはできない。多くの民間企業（ANAなど）は自助努力を続けて乗り越えて来たのだ。
　
奢れる者は久しからず。
誰が一番悪いか？…なんて、今さら言っても始まらない。傲慢を許して来た人間、見過ごして来た人間も
同等に悪い。（つまり、株主も…）
ただ、もう何年も前から経営危機であったにも関わらず、体質を改善しようにも権力者の言いなりになら
ざるを得なかったJALに、少しは同情の余地があるかもしれない。
そして、JALの再建にはまた税金が投入される。
これは、政治家たちの奢りではなく、国民からの最後の投資と受け止めなければならない。
　

　
　
　
　
　

JALよ
　
翼は見えているか


しかし純粋に航空業界に憧れて入社し、この逆境でも歯を食いしばって頑張っている人達もいる。
JALは再建にあたり、一年で１万５千人の人員を削減するという。
会社はその計画の中で、決して航空の安全を犠牲にする事なく、働くものすべてが本当の意味で会社に
誇りを持てる航空会社に生まれ変わってほしいものだ。
　
ちなみにワタクシが保有していた日航株の数は……な・い・しょ♪（T▽T=）
…前原くん（国交相）にだまされた。￣ω￣#）

タグ：飛行機雲 空 雲 夕陽 夕焼け JAL 日本航空

コメント 9

ＪＡＬの職員の平均給料はスカイマークの２倍。
ＪＡＬのパイロットは会社から自宅まで社用車で迎えに来るが、ＡＮＡのパイロットは電車通勤。
ＪＡＬの退職金や年金はＡＮＡに比べて極めて高額。
完全民営化しなかったために、かつての国鉄と同じ親方日の丸体質で、連合傘下の労組に支配されてきた。
完全民営化しておれば、ＪＡＬの株式の売却収入が国庫に入っていた上、民営としての努力により破綻することもなかった。
by ＪＡＬの法的整理 (2010-01-22 21:15) 

日航ホテルもなくなっちゃうんですかね～？
あそこに入ってる居酒屋さん、人気なのに・・・

城達也さんの声聞くと、眠くなる～ｗｗ ☆:*:・ｺﾞｼｺﾞｼ(uωヾ)ﾈﾑｨ・:*゜☆
by るりゅん (2010-01-23 01:26) 

キレイな夕焼けですね！

私はＡＮＡが好きです。
機内の雰囲気とか。ＪＡＬみたいに揺れないし。
個人的に好きなだけですけどね！
by saya (2010-01-23 19:17) 

時代が大きく動きました
たそがれはあまりにも綺麗で
JALの栄光の終焉に重なっています


by COLE (2010-01-23 21:36) 

1枚目の写真、綺麗な夕焼けですねー。
どうやって、こんな景色を見つけられるのでしょう(^^)

飛行機雲って、天気予報になるんですよね。
この雲を見ると、翌日はあめだったり・・・　お天気が崩れるって。
意外と当たってるみたいです。
by ムーミン (2010-01-24 07:22) 

JALがここまで切羽詰まったことになっていたとは思っていませんでした。
お役所気分が抜けなかったんでしょうか。。。
昔、旅行の際にはたいがい利用しまくっていた航空会社だっただけに、残念です。
機内食はANAのほうがダントツに美味しかった記憶がありますが（笑）

by tanuki (2010-01-24 20:36) 

+。:.゜こんばんゎヽ(´∀｀)ﾉ .:。+
不景気も深刻になってますね・・・
山一證券もまさか！だったけど、
本当に何が安全なのか分からない時代に・・・
我家のボーナズも超深刻だし。。。。|出口|　λ............ﾄﾎﾞﾄﾎ　（笑
by まったりまゆたん (2010-01-25 21:19) 

JALのニュース、いつ聴いてもさびしいですね。
自分の会社も業績がよくないので、明日は我が身ではと思ったりもします。
キレイな空はつかの間ながら厳しい現実を忘れさせてくれることがあります。
by torichan (2010-01-28 20:06) 

皆様、コメントありがとうございます。

＞JALの法的整理さん
ANAのパイロットは電車通勤…泣ける。（笑）
いや、パイロットと言えどサラリーマンなんだから別に普通か。
やはりそのあたりから見ても、JALの民間意識は薄かった…

＞るりゅんさん
再生機構はホテル事業も売却を検討とか言っとりますが、どうなるかな…
よ〜し、じゃあ新生JALの機内食は居酒屋メニューで勝負だ！d(￣ω￣=）

＞sayaさん
JAL機は年期入った機体ばかりですからねぇ…まあ少し揺れるくらいならいいけど。(^ ^；)　

＞COLEさん
ジャンボ機が一番効率よく稼げた時代は去り、今やただの大飯食いの機体に…（T_T)

＞ムーミンさん
通勤でも移動中に綺麗な夕焼けなどに出くわしたら、遠回りして撮影ポイントに向かいます。
なので、色々な夕焼けの写真でも、撮影場所は同じだったり…
…天気予報、そういえば、飛行機雲が長くなる秋などは、確かに雨が多いですね。

＞tanukiさん
これだけ大きな会社だから大丈夫だろう、なんて外部の人間は漠然と思ったりするけど、
実は一番そう思っていたのが、経営者側だったんですねぇ。w
ANAが機内食を充実させたのは恐らく戦略でしょうね。やはりサービスは庶民視点から
ちゅーお手本。

＞まゆたんさん
山一の負債総額は３兆、リーマンにいたっては６４兆円…金融業界はハンパないなぁ。(^ ^；)
個人投資家としては機関投資家さん達にマーケットを盛り上げてほしい所ですけどねぇ…
こんな材料ばっかじゃムズカシイか…。嗚呼、明日はどっちだ？

＞torichanさん
長年実績のある企業なら、たとえ不況でも、みんなが危機感を持って挑めば、経営努力で
そう簡単に破綻する事もないと思います。その点で、JALは危機感が足りなかった…
美しい空を見上げると、色々な思いを原点に戻せそうな気がしますね。

by Bono (2010-01-28 21:46)